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生活の中のお産

朝から微弱陣痛と、おしるしがあり、私の8年ぶりのお産はスタートした。

ナタリーに連絡をしジェイソンには近くなったら連絡するねと伝えて仕事に行ってもらい、長男にはたぶん今日赤ちゃん出てくるよと伝えて学校に送り出した。

私は、直前まで仕事を続け、それが許される状況と体調に感謝した。悪阻も酷かったが、病院に勤めているというのは便利で、昼休みに点滴もできたし、吐きすぎて喉が捌けて血が出ても、心配することはなかった。

内視鏡の介助では、人の唾液の臭さに、トイレを行ったり来たりしながらだったが、比較的順調にマタニティライフは過ごせたのだ。

ナタリーが到着し、衣装ケースを持って我が家に上がった。何が入っていたのかは不明だが、医療器具と呼ばれるようなものはなさそうだった。まるで遊びに来たかのようにお茶を飲み、たわいもない話をして私たちは過ごしていた。昼前からは本格的な陣痛になっていたのだが、ナタリーは、

どこか美味しいご飯屋さんある?

と聞き、私は知り合いのお蕎麦やさんを上げると、

じゃあ、バスタオルだけ一応持って食べに行こう

と提案した。

不安はなかったわけではないが、ナタリーもいるし、大丈夫だろうという事で、私たちはお蕎麦を食べに行った。その頃には陣痛も強くなり、波打っていたが、お蕎麦を食べて、帰りに私は銀行にも寄って、お金を下ろして家に帰ってきた。

昼過ぎのまったりした時間の中、段々、間隔が狭くなり強くなる陣痛に耐えていた。ふと横のナタリーを見ると、昼寝をしていた。スースーと寝息を立てて…この時思ったのだが、

あゝ、今日という日は普通の日で、今は昼過ぎのお昼寝タイムで、何もそんなに気負わなくても大丈夫なんだなぁと、

ちょっと気が抜けたのかもしれない。

ジェイソンに連絡して、現場から戻ったジェイソンは、風呂入るわ、と言ってお風呂に入り、準備万端となった。

長男が学校から帰ってきた頃、陣痛はマックスで、起き上がれなかったが、その横で、長男の宿題をナタリーが見てくれていた。ジェイソンは私をさすってくれて、その光景がいつもの家の中の光景だった。違うのは、私に陣痛が来ていることだけだった。

お風呂に入ってみる?

ナタリーの促しに、浴槽に浸かった私は、体が軽くなり力が抜けていくのを感じた。陣痛も心なしか和らぎ、優しい何かに包まれている感じがした。お風呂から上がると、ナタリーが私の髪をブラッシングしてくれた。何とも言えない心地よさだった。痛みはもちろんあるのだが、みんながいてくれる安心感と、いつもの光景といつもの家の中の音や匂いが、状況を特別なものではなく、当たり前の普段通りの、柔らかな安心できる状況へと変化させていた。

インターバルを置いてもう一度浴槽へ入った。長男は友達のところへ遊びに行った。


このまま産んでも大丈夫だよ。力を抜いてね。

浴槽の縁に手をかけ、ジェイソンの手を握り、目をつぶって、ベビーが生まれて来ようとしているのを感じた。そして、ツルンと次男は出てきた。ナタリーはあまりベビーに触れず、ジェイソンの手を介して、私のところへ来た。

よく来たね、待ってたよ。

ナタリーはそう声をかけた。ベビーは、フェッ、フェとちょっとだけ泣いて、すぐに寝てしまった。だけど、みるみる真っ赤になっていった。呼吸が浅いのかと不安になる私に、

何も苦しいことしてないから、気持ちよくなって寝てるだけだよ。

と、ナタリーは教えてくれた。


あゝ、だから赤ちゃんなんだ、あゝ、これぞまさに赤ちゃんだ。


浴槽には血液なんてどこにもなくて、ベビーにも血なんてついてなくて、綺麗そのものだった。匂いを嗅ぐとほのかに甘い。

その場にいた誰もが、滞りなくやるべき事をやって、みんなが笑顔になっていた。時間は緩やかで、静かで、穏やかで、長男の出産の時のように、カチャカチャという金属音も何もなく、おめでとうございまーす!という大声もなくて、柔らかな時間が流れていた。

ジェイソンを見るとただ笑顔だった。私はこの姿をジェイソンに見せることで、一緒にお産を感じてお父さんなんだよ!という思いを伝えたかった。ジェイソンはその思いをちゃんと受け取ってくれていた。

ベビーを抱き、臍帯が繋がったままリビングへ移動して、もう一度痛みが来たところで長男が帰ってきた。

赤ちゃんだ!産まれたんだ!

歓喜の声と溢れる笑顔。私はこの子をお兄ちゃんにしたんだ、と嬉しく思った。

痛みの後、胎盤が出てきて見てみると、ベビーを養ってきたその胎盤は、力強く誇りに満ちていた。

胎盤食べてみる?

原さんの申し出に、私と長男は、迷わず食べた。

無味無臭、生臭くもなくて、食感はレバーかと思いきや砂肝だった。コリコリとして力強い。

臍帯はジェイソンがもちろん切った。それも、力強くてなかなか切れないようだった。全てが圧倒的な力強さで、私とベビーを繋ぎ止めていたのだった。

そのまま、家族だけの時間が始まった。私が寝ているリビングで、一緒にみんなで横になってベビーを見ては、可愛いねぇを繰り返した。極上の癒しと安らぎがそこにあった。

どこにも移動しなくてよくて、愛する夫と長男がすぐそばにいてくれて、洗い物や片付け、家族の夕飯の準備まで、ナタリーが全てをやってくれていた。

赤ちゃん泣いたら、乳首だけをほっぺたにつけてあげれば安心するし、勝手に自分から乳首を探して口に入れるから何もしなくて大丈夫だよ。とにかく、今は休んでね。

そう言い残し、ナタリーは帰っていった。

私たち家族は4人になった。

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